お独り外食
お金もかかるしカロリーが怖いし、人の目も気になって挙動不審で落ち着かないし。
それなら早く家に帰って、ああそうだ昨日の味噌汁残ってるじゃんか、あれと冷蔵庫にあるもの食べた方がいいや…。
いつもこんな感じで十数年。
これでも別にいいのです。
でも「たまには」さえも出来なくて、囚われて、苦しむ事があります。
今は特に、金銭面と摂食面で 更に増してとても厳しい状態で、
今回、独りでお店に入れた事は、とても大きな出来事でした。
円山茶寮(まるやまさりょう)さん。
(お店情報などを知りたい方は、他を調べてくださいね。たくさん出てきます)
雪降る前の12月上旬のこと、
久し振りに食べる事ができて、とても幸せで。
「ああ、また行きたいなあ」「独りで、行ってみようかな…」
と、ひもじい心身の渦中、画像検索をしては、うんうんと悩んでおりました。
摂食障害が持つ 食への執着は、凄まじいです。
よく独りで行けたなあ…と思います。
過去にも何度か連れて行ってもらえた事はあったのですが、
正直 猫目的でしたし、その当時はそんなに好みと言う程ではなかった。
状況や味覚や、年齢か心境か。
ご縁にも、時期やタイミングがあるのかも知れません。
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独りで行くにあたり、
あらかじめ、どこに座ろうか、第一候補から順に 予習をしておいたのですが(笑)、
扉を開けたら早速、看板猫のこっこちゃんがいらっしゃって。
こっこちゃんに吸い寄せられるように、4人掛けの大きなテーブルに座ってしまった…。
師走の真冬日-4℃
参拝帰りの重装備。
抜け殻がどんどん増えて行く。
そしてやっぱり こっこちゃんの隣に座りたくて、向かいの椅子からこそこそ移動…。
抜け殻と荷物で静かにあわあわしていたら、店主さんが「荷物、テーブルの上に乗せちゃっていいですよ」と言ってくださった…。
お礼と共に、混んできたらどかします、ともお伝えして、お言葉に甘えさせてもらいました。
(今思えば、混んできても、すでにこっこちゃんが座っている席だから、いいのか…(笑))
こっこちゃんと相席するのは初めて…。
猫と相席…猫と相席…。
うおおぉぉ…。
しかもこの日はにゃんと
もう1匹の茶美(ちゃび)ちゃんまでいらっしゃった( iωi )
茶美ちゃんにお会いするのは初めて…。
茶美ちゃんは警戒心が強めですが、店内うろうろしていました。
こっこちゃんは、毛がやわやわなんです…。
うちのゆきちゃんの毛は、しっかりコシがある讃岐うどんタイプ←
うどんも猫もそれぞれですね。
こっこちゃん、マッサージしたらもっともっととすりすりノリノリで、
ブレた写真しか撮れなかった。
ある程度マッサージを終えたら、あとはこっこちゃんの気の向くままを 静かに眺める。
猫の自由を最優先にしたお店です。
右にねこ
左にねこ
そして正面に いちごぜんざい白玉入り
にゃんということでしょう…。
いちごぜんざい白玉入り、描いてみました。
ちなみに、ちょっとリアルに描けないかなとチャレンジしかけてすぐやめたのがこれ(笑)。
ひ ど す ぎ る
光沢ってどう描くの…(それ以前の問題)。
いちごぜんざいは白玉なしバージョンもあります。
過去にはクリームぜんさいや、あたたかいぜんざいをいただいた事も。
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はじめてのお独りいちごぜんざい。
はじめは緊張で余裕が無かったけれど、途中から少しだけ、
外で、独りで、食べられている事を、
白玉と共に、もっちゃもっちゃと噛み締めた。
ぜんざい→お茶→ねこ→ぜんざい→たくあん→ねこ→ぜんざい
にゃんということでしょう…(2回目)
「何してるんだ私…」と怖くなり、
口に含んだものを吐き出したくなる拒食脳も まだまだ消えぬままでしたが、
隣で毛づくろいをするこっこちゃんと、おいしい いちごぜんざいに助けてもらいながら、
じっくりと、ていねいに、いただくことができました。
そして今回初めて独りだった事もあってか、店主さんも話しかけてきて下さって。
2匹は親子で、こっこちゃんが咥えて、この子もよろしくお願いしますと連れて来たそうで。
ツンデレじゃじゃ馬(じゃじゃ猫)っぷりや、こっこちゃんが来て10年、もう猫はなくてはならない存在だとか。
猫愛溢れる店主さんが色々お話を聞かせてくださいました。
今までは、寡黙で厳しい店主さんかしらという印象を勝手に抱いていたのですが、
すっかり印象は変わりました。
1987年オープンという円山茶寮さん。
長年通われているお客さんも多いんだろうな。
常連さんらしきお一人の男性客もいらっしゃって、店主さんとお話ししていた。
子供の頃から食べているものこそ、ずっと変わらず大好きだったりするものですから、こうした長きにわたるお店、
どうかどうか末長くあって欲しいものです。
いつもなら落ち着かず、あまり長居をしない方なのですが、
今回はいつのまにか50分くらい経っていてびっくり。
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お店を出て、ああ、なんて良い時間を過ごせただろう…と幸せいっぱいの吐息を洩らしながら、西28丁目駅へ向かう。
そして乗り換え方向に迷う。
未だに宮の沢か新さっぽろか、方向がわからなくなるな。
引越してもうすぐ6年。
ついこの前のようです。
何も頑張れていない自分が、一年の労いなどできるものかという思いは消えませんでしたが、
自分の足で、食べる事へ向かえた事のプレゼントであったのなら……と、
信じてみたいと思います。
人間も時間も空間も、
落ち着き、しっぽり、ていねいに。
最後まで読んで下さって、どうもありがとうございました。