天狗まんじゅう。
札幌から車で約30キロ先に、岩見沢市は位置しています。
その岩見沢市の有名な老舗店、『天狗まんじゅう』。
昨日はその「天狗まんじゅう」を買いに、岩見沢に連れて行ってもらえました。
私事ですが、
「天狗まんじゅう」は幼少時の思い出の品です。
岩見沢方面の小さな病院に、長い間、祖父が入院しており、
家族で祖父のお見舞いに行く前に買いに行くのが、この「天狗まんじゅう」でした。
「祖父のお見舞い」という目的が無くなって10年以上。
岩見沢に行く目的がすっかり無くなった中、
それでも2〜3回、友人などにわがままを伝え、車で岩見沢まで「天狗まんじゅう」欲しさだけのために、お付き合いしてもらえたものです。
そして、私よりも「天狗まんじゅう」に対する思い出が深いであろう母親に買って帰りたかったのも、大きな理由のひとつでした。
創業50年を越える「天狗まんじゅう」。
JR岩見沢駅からすぐの、駅前通りの商店街内に「駅前店」があります。
赤い看板も店内も、私が知る限り20年、変わらずです。
小さい頃は、狭くて古い店内と、おまんじゅうを蒸す湯気の匂いに息苦しさを感じたものでしたが、
今となってはそれらが愛しいとさえ思えました。
メインはやはり3色の「天狗まんじゅう」と、こしあん・つぶあんが選べる「草まんじゅう」。
価格は1個70円ほどです。
個人的好みでは「草まんじゅう・こしあん」&「天狗まんじゅう・茶」がお気に入りなはゆきでございます。
昔はよく見られたであろう、木を薄く削った「経木(きょうぎ)」で、おまんじゅうを包むのにもまた風情を感じます。
皮薄く、しつこくない甘さの自家製あんこたっぷり。
よもぎの風味もたまらんです。
小さい頃より美味しく感じるのは、年齢と心の変化かも知れません。
岩見沢の商店街も、シャッターが下りているお店が目立った気がしました。
車で少し行けば大型スーパーもある様子です。
どこに行っても、
似たり寄ったりのショッピングモールや複合施設。
味も対応も、マニュアルどおりの見慣れたチェーン店。
実際自分もそういったお店を利用させてもらう事も多く、実際助かりますし、便利である事は否めません。
しかし、何となく…、現代はそういう景色が多くなり過ぎているような気も、無きにしも非ずかなと、
数年振りに「天狗まんじゅう」を訪れて、おいしいおまんじゅうを頬張りながら、ふと考えた昨日でした。
ちなみに、冷めて硬くなってしまったおまんじゅうを、ご飯を保温してある炊飯器の中に入れておくと、
簡単にふわっと熱々で食べられます。
おまんじゅうの底に、ご飯がちょいと付いてしまうのもまたこれ、よしとする。
最後まで長々とお付き合い下さいまして、どうもありがとうございました。