Hayuki’s diary

人との関わりにくさ、生きにくさや闇を抱え、ACODの自覚があります。猫好き札幌人「はゆき」と申します。

 家の猫「ゆき」〜避妊手術1〜

<2005年8月2日(火)writing>

 今年の春のお話です。

 「もうそろそろ手術した方がいいですね。体重も前より増えてきたから、もう手術しても大丈夫ですよ」

 ワクチン接種の際に先生からそのように言われたので、先延ばしにしていた手術をお願いする事にしました。
 この日は注射をしたので、手術についての説明が書かれた紙を頂いて、数日後にまた伺う事になりました。

 病院に行くたびに思う事ですが、
 「今から病院に行くよ」
 と説明してあげられないのが何とも辛いです。

 「明日は手術なのに…何も知らないのよね…ごめんね」

 すやすや寝ている彼女を見ながら、何度もそう思いました。

 手術に必要なものは、キャリーバッグ。そして古くなったものでいいので、バスタオル一枚。
 病院によって様々だとは思いますが、家の場合、こちらで用意するものは、この2点だけでした。

 食事やその他のものは手術代の中に含まれており、全て病院が用意してくれるようでした。

 同じく猫を飼っている友達は、すでに手術済みだったので、色々とお話を聞かせてもらいました。
 不安であった中、友達の経験談はとても助かりました。
 友達の場合、同じくメスだったのですが、朝預けて、夕方に引き取るという形だったそうですが、ゆきの場合は、お昼頃に預けに行き、翌日引取り。

 手術前日は夜9時〜病院に預けるまで、ごはんは与えないで下さいとの事でした。
 お水は手術当日の朝からダメ。
 手術中に嘔吐してしまうので…人間の手術と一緒ですね。

 断食の時間になると、いつも置いているエサトレーを片付け、テーブルの上などにあるかつおぶしや、その他の食べ物を届かない場所に片付けました。
 台所に行くと足にすりついてくるゆきがまた、何とも切なかったです。

 「ごめん。あげたいんだけど、明日手術なの。食べちゃダメなんだって。」

 猫の言葉が喋れたらいいのに、ともどかしさを感じました。

 明日はゆきとお別れなんだ…。

 たった一泊なのにオーバーなのですが、家族に動物が居る方ならば、この気持ち、解ってもらえますでしょうか…。

■■■

 翌日、指定された時間の10分前に病院に着きました。

 これまた友達の経験だと、受付でキャリーバッグごとそのままお渡ししたそうです。
 それはちょっと寂しいな、この病院もそうなのかな、と思っていましたが、ここでは私も診察室まで入れて下さいました。

  そしてキャリーバッグからゆきを出して、いよいよ一晩のお別れです。


 「それではお預かりしますね。大丈夫だよ〜、ゆきちゃん」

 という先生の言葉は、ゆきには全く届いていない様子でした。
 私が診察室を出る、その扉が閉まる隙間から見えたゆきの顔。


 「え!なに!はゆき!どこ行っちゃうの?!」

 そんな顔に見えて仕方がありませんでした。


 病院に向かう時は、重たいキャリーバッグを右手、左手と持ち替えて歩いていましたが、帰りは手ぶら。楽なはずなのに、どこか寂しい帰り道でした。

2へつづきます。